2024.12.16
レポート
標準化とは
一般財団法人日本情報経済社会推進協会
電子情報利活用研究部 野町 綺乃
JIPDECは、1998年にプライバシーマーク制度を創設してから現在に至るまで、プライバシーマークの付与機関および審査機関として活動を行っています。
プライバシーマークを取得するには、事業者は、JIPDECが公開している「プライバシーマークにおける個人情報保護マネジメントシステム構築・運用指針」に則った対応を行い、審査を受ける必要があります。この構築・運用指針は、日本産業規格「JIS Q 15001:2023 個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」(JIS Q 15001)に準拠したものとなっています。
このようにJIPDECの事業においてはJISなどの標準が身近なところにあり、標準化は、プライバシーマークを取得された企業の皆さまにも関連する取り組みとなっています。
『標準化(Standardization)』とは、『「もの」や「事柄」の単純化、秩序化、試験・評価方法の統一により、製品やサービスの互換性・品質・性能・安全性の確保、利便性を向上するもの』1と定義されているもので、一定の基準を設け、決められた方法で作成、製造することで、日本で作成、製造した「モノ(物)」を海外でも利用でき、販売することができる他、海外で作成、製造された「モノ(物)」を日本でも利用できるようになるため、標準化を行うことは重要な活動となっています。
この標準化によって制定され、取り決められた定義を技術文書として、誰もが閲覧できるようにまとめたものを「規格(Standards)」と呼んでいます。
「規格」は、「国際規格」「地域規格」「国家規格」「団体規格」2という四つに分類されており、このうち、日本で共通的により多く閲覧されている規格は、「国際規格」と「国家規格」になります。
「国際規格」は、国際標準化機関で制定される規格を指しており代表的な国際標準化機関としては、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)や、IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)といった機関が国際規格を制定しています。
「国家規格」は、各国の標準化機関で制定される規格を指しており、日本の場合、経済産業省に設置されている審議会である日本産業標準調査会(Japanese Industrial Standards Committee:JISC)で審議されている日本工業規格(JIS)が代表的なものです。
加えて、ISO規格や、IEC規格、JIS規格などは、公的な機関で制定された規格であるため、デジュール規格とも呼ばれています。
このように「規格」は、国際、国内を問わず、さまざまな国や団体、機関などで制定されており、標準化を行うことは、新しい技術、優れた製品やサービスを速やかに普及させるためのツールであり、事業戦略を練るうえで検討するべき事項の一つ3となっています。
経済産業省では標準化に関する取り組みとして、企業の皆さまが標準化を事業戦略に活用できるよう、さまざまなサポート4が実施されています。標準化を自社の事業戦略に活用することをご検討の方は、経済産業省にお問合せ、相談などをされてみてはいかがでしょうか。
- 著者
- JIPDEC 電子情報利活用研究部 野町 綺乃
データ利活用、プライバシー保護に係る課題や環境整備に向けた調査、ISO/TC307(ブロックチェーンと分散型台帳技術)国内委員会の国内審議団体事務局の業務などに従事。