一般財団法人日本情報経済社会推進協会

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FAQ1:制度一般(ITSMS)

11.ITSMS制度の概要及び特徴

ISMS-ACのWebページ「ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)適合性評価制度」では、以下のように述べられています。
「ITサービスマネジメントシステム(IT Service Management System:以下ITSMSという)適合性評価制度は、国際的に整合性のとれたITサービスマネジメントに対する第三者適合性評価制度である。」

ISMS-ACのWebページ「ITSMS適合性評価制度の概要」(上記T1101参照)では、以下のように述べられています。
「本制度は、組織におけるITサービス運用管理の品質を継続的に向上させることにより、わが国のITサービス全体の信頼性の向上に貢献することを目的とする。」

ITSMSはITサービスマネジメントシステム(Information Technology Service Management System)の略称で、“アイ ティー エス エム エス”と呼ばれています。

認定機関に対する要求 事項を定めたISO/IEC 17011では、認定の対象となり得る機関(認定対象機関)として適合性評価機関(conformity assessment body:CAB)の用語を使用しています。現在のITSMS適合性評価制度では、適合性評価機関に該当するのは、認証機関及び要員認証機関※です。
※認証機関とは、マネジメントシステム認証などの審査・認証を行う機関です。要員認証機関とは、認証審査に関する能力をもつ審査員を認証、登録します。

JIS Q 20000-1及びJIS Q 20000-2は、ITサービスマネジメントシステムに関する国内規格(日本産業規格)です。
JIS Q 20000-1は組織がITサービスマネジメントシステムを構築するにあたって必要な事項を定めており、ITSMS適合性評価制度において、認証基準として使用されています。
JIS Q 20000-2は、JIS Q 20000-1を適用してITサービスマネジメントシステムを構築するための手引を提供しています。JIS Q 20000-1を適用しようとする際に、適宜、参考にすると良いでしょう。

なお、JIS Q 20000-1及びJIS Q 20000-2は、国際規格であるISO/IEC 20000-1、ISO/IEC 20000-2を日本語に翻訳した国内規格であり、国際規格と同じ内容であること(IDT:IDENTICAL)が認められています。それぞれの正式名称は、次の通りです。

■ISO/IEC 20000-1:2018 Information technology — Service management — Part 1: Service management system requirements
■JIS Q 20000-1:2020 情報技術-サービスマネジメント-第1部:サービスマネジメントシステム要求事項

□ ISO/IEC 20000-2:2019 Information technology — Service management — Part 2: Guidance on the application of service management systems
□ JIS Q 20000-2:2023 情報技術-サービスマネジメント-第2部:サービスマネジメントシステムの適用の手引

JIS Q 20000-1に基づくサービスマネジメントシステムの構築には、次のガイドも参考になります。

ISO/IEC 20000-1及びISO/IEC 20000-2は、T1105に記載の通り、ITサービスマネジメントシステムに関する国際規格です。
ITIL®は、ITサービスマネジメントのベストプラクティスをまとめたガイダンスで、ISO/IEC 20000-1及びISO/IEC 20000-2はこのITIL®も参考に作成されました。
ITIL®の詳細については、次のWebサイト等を参照してください。

なお、ISO/IEC 20000シリーズとして、以下の規格が発行されています。

ISO/IEC TS 20000-11:2021
□ Information technology -- Service management -- Part 11: Guidance on the relationship between ISO/IEC 20000-1 and service management frameworks: ITIL®
□ 情報技術-サービスマネジメント-第11部:ISO/IEC 20000-1:2011とサービスマネジメントフレームワーク:ITIL®間の関係の手引

※ITIL® is a Registered Trademark of AXELOS limited.

パンフレット「ITSMS適合性評価制度の概要」の2項で説明されています。パンフレットのPDF版はISMS-ACのWebページからダウンロードできます。

【ITSMSを構築し運用することによって得られるもの】
・ITサービスの見える化
 現状を正しく把握し、問題点を特定するための見える化の促進
・コミュニケーション強化
 社内外の関係者とのコミュニケーションのあり方を見直すきっかけの提供
・ナレッジシェア促進
 属人化しがちな情報の蓄積・共有に向けたきっかけの提供
・前向きな目標管理
 継続的改善のモチベーション維持・向上に役立つ目標管理の考え方の提供
・ITサービスごとのコスト最適化
 ITサービスごとの品質・コストの可視化によるコスト配分の判断材料の提供
・サービス品質の維持・向上
 上記の活動を継続することによる、サービス品質の維持・向上

【ITSMS認証を取得することから得られるもの】
・第三者(認証機関)から国際規格に適合した活動が認証され、信頼できるITサービスが提供できることを外部に表明できる。
・継続的な認証審査により、サービス品質の向上と維持を図ることができ、顧客からの信頼と期待を高めていける。
・認証が調達条件である引き合いに対応できる。
・構築したITサービスマネジメントシステムに対して関係組織が信頼することにつながる。