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2022.12.16

レポート

【コラム】デジタルトラストと電子証明書の役割

一般財団法人日本情報経済社会推進協会
デジタルトラスト評価センター 主査  成田 ミキ

デジタルトラストとは、デジタル社会において、情報の担い手の人や法人等が本物であることや、その情報が改ざんされていないことを保証することを言います。その実現のためには電子証明書等を提供するトラストサービスが不可欠です。

最近ではテレビCMでも電子証明書という言葉が聞かれるようになりましたが、マイナンバーカードには、この電子証明書が格納されています。
マイナンバーカードを使用し、住民票の写しをコンビニエンスストアで取得したり、各自治体の行政手続きをオンライン上で行うことができます。その際に使用されるのが、マイナンバーカードのICチップに格納された、以下の2種類の電子証明書です。
・署名用電子証明書
・利用者証明用電子証明書
署名用電子証明書には、利用者の氏名、住所、生年月日、性別が記載され、確定申告等で使用されます。マイナンバーカードの署名用電子証明書を用いて、電子的に作成された申告書に対し電子署名を行うことで、居住地に住む本人がたしかに申請していることを示すことができます。
一方、利用者証明用電子証明書には上記の4つの個人情報は含まれず、コンピュータでのみ判読可能な文字列によって構成された情報と、有効期限等が記載されています。端末にマイナンバーカードをかざすことで、個人情報の提出が不要な場面での本人確認(コンビニエンスストアでの住民票の写しの自動交付等)を可能にしています。

マイナンバーカードに格納された電子証明書以外にも、日本には電子署名法に係る認定制度に基づく民間のトラストサービス(認証局)があります。2021年には、スマートフォンを活用したサービス
(my電子証明書)が認定され、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の公的個人認証サービスを利用してスムーズな本人確認を行い、公的個人認証サービスよりも自由度がある電子証明書を、スマートフォンで利用できるようになりました。
JIPDECは、この国による認定制度における指定調査機関として実地調査を行うと共に、電子証明書の発行や電子契約サービスが一定の安全基準を満たしていることを評価するJIPDECトラステッド・サービス登録事業を運営しています。デジタル社会において、トラストサービスは大きな役割を持っています。JIPDECは多くの皆さんが、安心、安全にトラストサービスを利用できるよう、デジタルトラストを支える裏方として活動してまいります。

著者
JIPDEC デジタルトラスト評価センター 主査 成田 ミキ

ドイツ適合性評価機関TUViT eIDAS/ETSI Auditor

JIPDEC入社後開発部に所属し、石油公団備蓄管理システム、独立行政法人情報処理推進機構情報処理技術者試験システム等の開発及び保守等に携わる。
後、社内システムおよびネットワーク管理担当を経てプライバシーマーク推進センターにてシステム管理およびプライバシーマーク付与管理業務に携わり、現在はデジタルトラスト評価センターに所属し、JIPDECトラステッド・サービス登録審査員として審査業務に従事。

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