請求書にeシール、はじめました

一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
 インターネットトラストセンター 主査  高倉 万記子

eシールについて

 IT総合戦略本部が本年6月18日に公表した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」別紙「包括的データ戦略」の「我が国のトラストサービスの現状」で、eシールは「電子文書の発信元の組織を示す目的で行われる暗号化等の措置であり、当該措置が行われて以降、当該文書が改ざんされていないことを確認可能とする仕組みであって、電子文書の発信元が個人ではなく組織であるもの」として説明されています。
 総務省が6月25日に公表した「eシールに係る指針」ではeシールを大きく3つのレベルに分け、それぞれの主な用途例を示しています。

図1.各ユースケースとeシールレベルとの関係性の一例

図1.各ユースケースとeシールレベルとの関係性の一例

 JIPDECは、2020年よりクオリファイドeシールの使用を開始しており、JIPDECがクオリファイドeシールを付与して発出する電子文書は、間違いなくJIPDECが作成し、改ざんされていないことが担保され、かつEU域内で法的効力を有します。このクオリファイドeシールサービスはGMOグローバルサイン株式会社が国内で初めて提供したものです。

標準企業コード手続きへの活用

 JIPDECは、1989年より企業間での電子商取引事業者の識別番号(標準企業コード)の管理を実施してきました。現在、各業界団体が会員企業に発番する標準企業コード(約31,000社)全体を統括的に管理していますが、今年6月、JIPDECが管理する約2,500社を対象とする登録管理事業にeシールを対応させました。 このeシールは2020年から利用しているものではなく、Adobe社のAATL(Adobe Approved Trust List)に登録された電子証明書を使用しており、その中で本人性を審査した上で法人向けに発行されたものをeシールと呼んでいます。AATLはAcrobat Readerで容易に検証が可能です。

 紙文書による更新案内をメールの自動配信に変更し、また、登録事業者は自社のマイページから直接自社情報の入力や、eシールが付与された電子請求書、電子登録証のダウンロードが可能となりました。

図2.標準企業コード登録管理の仕組み

図2.標準企業コード登録管理の仕組み

 eシールのついた電子請求書、電子登録証はPDFファイルを開くと最上部に「署名済み」と表示がされ、署名者名と、署名変更後に変更されていないことが確認できます。

図3.eシール表示例

図3.eシール表示例

 eシール付与にあたっては、クラウド環境下で署名鍵を管理し、JIPDECがリモート署名で行っていますが、署名鍵の管理、ならびにリモート署名については、トラストサービス評価の審査基準をもとに、JIPDECの審査員による確認のもと、仕組みを採用しています。

最後に

 eシール付与は6月から実施していますが、利用企業からは、テレワーク中での請求書確認や支払処理が円滑になった、事務処理面での時間短縮ができた、などの意見が寄せられています。
 


一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)インターネットトラストセンター 主査  高倉 万記子

JIPDECインターネットトラストセンター兼セキュリティマネジメント推進室主査。トラストサービスやインターネット上のなりすまし対策の普及啓発を行っている。