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2026.05.15

レポート

JIS X 22739:2026 ブロックチェーン及び分散型台帳技術-用語の制定について

【要約】
2025年の大阪・関西万博で運用された「EXPO2025デジタルウォレットサービス」や暗号資産では、ブロックチェーン技術が活用されています。業界を横断して利用される技術ですが、わが国での用語の定義が業界ごとに異なるという課題の対策であるJIS規格をご紹介します。

一般財団法人日本情報経済社会推進協会
電子情報利活用研究部 主席研究員  手嶋 洋一

制定に至る経緯と意義

ISO/TC 307(Blockchain and distributed ledger technologies)において、関連用語を標準化したISO 22739(Blockchain and distributed ledger technologies-Vocabulary)が2020年に発行され、2024年1月に改訂されました。

他方、わが国においては、ブロックチェーンおよび分散型台帳技術を用いたサービス開発等は、業界を横断して実施されることが多いのですが、用語の定義が業界ごとに異なっており、意思の疎通が難しく、時間を要するという課題がありました。

この課題に対応するためにISO 22739:2024と整合したJISの作成を行い、国際的に標準化された用語および定義とすることで、ブロックチェーン分野の用語のリファレンスの整備ならびに正確な情報の伝達および相互理解の促進を図ることが求められたことから、2026年2月20日に「JIS X 22739 ブロックチェーン及び分散型台帳技術-用語」(以下、「本規格」という)が制定されました。

本規格では、他の国際規格で定義されているものも含め、100の用語および定義が規定されています。あらゆる種類の組織(営利組織、政府機関、非営利団体など)に適用可能なものであり、対象読者は学者、ソリューションアーキテクト、顧客、ユーザー、ツール開発者、規制当局、監査人および標準開発組織を含む、全ての利用者となります。本規格は、日本産業標準調査会(JISC)のWebサイト1から無料で閲覧することができます。

留意事項と改訂の動向

そもそも国際規格の記載は各国の法令全てに適合するようには書かれていないので、一部の用語については、国内法の定義と一致しないものがあります。また、他のJISと異なる意味や概念で用いる用語も存在しています。本規格の制定にあたり議論となった点や、国内法で定められている内容との対応関係については、日本規格協会が販売する規格の「解説」にて言及しています2

2026年4月現在、ISO/TC 307において、ISO 22739の改訂が行われています3。今後の動向を注視する必要があります。

本内容は、筆者自身の調査分析に基づく個人的見解で、JIPDECの公式見解を述べたものではありません。

著者情報

著者
JIPDEC 電子情報利活用研究部 主席研究員  手嶋 洋一

長年IT業界に従事し、2024年4月より現職。

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