2020.12.21
IT-Report
JIPDEC IT-Report 2020 Winter
【特集】ビジネス変革とプライバシー保護の両立-プライバシーガバナンス構築に向けて
発行にあたって
今年度第2号となる「JIPDEC IT-Report 2020 Winter」は、「ビジネス変革とプライバシー保護の両立-プライバシーガバナンス構築に向けて」と題し、特集を組みました。
デジタル技術の活用により、国境を越えた社会の急激な変化に対応するため、経済産業省は「イノベーションの促進」と「社会的価値の実現」の両立に向け、新たなガバナンスモデルの必要性と在り方について検討し「GOVERNANCE INNOVATION: Society5.0の実現に向けた法とアーキテクチャのリ・デザイン」報告書を2020年7月にとりまとめました。この中で、国内の法規制を基に組織・企業の行動規範を統制する従来のガバナンスから、世の中の変化に対応できる、国境を越えた柔軟なガバナンスが今後求められる、と提言しています。
政府が推進するデジタル・トランスフォーメーション(DX)に関連して、データとデジタル技術を活用した新規ビジネスへの参入や業務変革を進める企業が増えてきています。特にパーソナルデータを活用したビジネスについては、消費者への不利益や不当な扱い、炎上などのトラブル発生から、企業の信頼失墜、経営にまで影響する可能性も考えられることから、データ主体である消費者のプライバシーに対する十分な配慮が必要とされます。このため、パーソナルデータを取り扱う企業を対象に、経済産業省・総務省はプライバシー保護に関わるガバナンスの指針として、2020年8月28日に「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.0」を公表しました。
今号では、プライバシー保護のためのガバナンスをどう考えるか、ガイドブック策定の背景、ガバナンス・イノベーションとの関係等を有識者の方に座談会形式で伺いました。
また、2018年のGDPR施行以降のEU域内外への影響、各国の個人情報保護法施行など、海外の個人情報保護施策やデータプライバシー規制等について、最新動向を有識者の方に解説していただきました。
資料編では個人情報保護関連の年表と2020年4月から9月の情報化動向を掲載しています。
本誌をビジネスでデータを利活用される事業者はもとより、個人の皆様にも参考としていただければ幸いです。
IT-Report 2020 Winterについて
タイトル: IT-Report 2020 Winter
発行: 一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
仕様: A4判 28頁
発行日: 2020年12月21日
目次
特集「ビジネス変革とプライバシー保護の両立-プライバシーガバナンス構築に向けて」
国立情報学研究所 教授 佐藤 一郎
東京大学大学院法学政治学研究科 教授 宍戸 常寿
JIPDEC 電子情報利活用研究部グループリーダー 岡田 光輝
一般社団法人Privacy by Design Lab 代表理事 栗原 宏平
<資料-1>国内外の主な個人情報保護関連の年表
<資料-2>情報化に関する動向(2020年4月~9月)
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