情報化白書2012 各章要旨

1部 トピックス

1章 クラウド・コンピューティングと社会

クラウドの歴史は04年頃から幾度かの転換期を迎えているが、10年、11年はスマートフォンの普及、AppleやFacebookといった新しいクラウドプレイヤーの参入という転換期を迎えている。

2章 検索サービスとその周辺技術

90年以降に登場したインターネット検索サービスの歴史、検索エンジンの仕組みについて記述している。
日本語による内容検索を行う際には、言語表現の意味を自動的に取り出すのが困難という課題があり、内容を的確に表現している要素を抽出する方法が一般に用いられる。

3章 生活者の視点から見たBCP

JIPDECが08年9月に実施した「企業IT利活用動向調査」によると、BCPを策定済みの企業は12.8%に過ぎなかった。
企業におけるBCP策定のステップを解説し、家庭における重要業務である晩御飯の提供を例として挙げる。

4章 時間・空間情報の利用~地理空間情報の現状と課題~

わが国では07年5月に地理空間情報活用推進基本法が成立し、10年までに多くのサービスが生まれた。
近年では、従来の地理空間情報サービスから進化し、屋内・屋外シームレスな測位環境の実現に向けた技術開発が進められている。

5章 ICカード技術の最新動向

わが国では11年現在、交通系ICカードの総発行枚数が6,000万枚を超え、プリペイド型電子マネー用ICカードの総発行枚数は1億枚を超えている。
ICカード技術のアーキテクチャ、仕様ならびにセキュリティ技術について詳述する。

6章 画像・映像の新たな活用~拡張現実感(AR:Augmented Reality)~

ARを支えるセンサーなど各種技術について詳述するとともに、ARの応用事例を挙げる。
2000年代には、高精度な画像認識アルゴリズムの発明によってマーカーレスARの研究が盛んになってきており、近年のコンピューティング技術の発達はAR技術を急速に進展させている。

7章 携帯電話・スマートフォン

日本で利用されているスマートフォンはiPhoneが56%、Android搭載製品が32%(10年12月,コムスコア・ジャパン調べ)であったが、IDCは11年の世界市場でみると、Androidが39.5%、iOSが15.7%と予測している。

8章 マーケティングツールの情報化

ウェブ広告の歴史をディレクトリサービスの登場から俯瞰し、フラッシュマーケティングや位置情報サービス、ARを利用した最新の広告技術を取り上げている。

2部 情報セキュリティ

1章 ネットワークとWebのセキュリティ

2000年代初頭からのネットワーク攻撃の変遷と近年の攻撃の特徴を取り上げる。
IPAへの脆弱性関連情報の届出件数を製品種類別にみると、Webアプリケーションソフトが43%と最も多い。
Webアプリケーションが原因となるインシデントのうち、要件定義と設計・実装段階で修正すべきものが95%を占めた。

2章 コンピュータおよびサーバーのセキュリティ

サーバーコンピュータを含むコンピュータの脆弱性対応のアプローチを具体的に述べる。
Gumblarを含む近年の攻撃手法に有効な対策として、改ざん監視等に触れている。

3章 制御システムのセキュリティ

制御システムへのセキュリティの脅威は近年増大している一方、動作保証の確保等の理由からセキュリティ・パッチやウイルス対策ソフトの導入といった対策への障害がある。
10年6月に発見されたマルウェア、Stuxnetの特徴を記すほか、制御システムの今後のセキュリティ対策を講じるうえで考慮すべき点を述べている。

4章 クラウド・コンピューティングのセキュリティ

総務省の調査によると、クラウド導入の際の1番のネックはセキュリティであった。
クラウドの仕組みと、クラウドのセキュリティを理解するうえで重要な技術や管理手法、標準化、各種基準について触れている。

5章 インシデントや脅威への対応の現状

JPCERT/CCに報告されたインシデント件数の推移と特徴,CSIRTによる対策の現状を示す。
近年重要性を増すデジタルフォレンジックの有効性と,コンピュータ端末の多様化や暗号技術の高度化などによる調査の難しさについて触れている。

6章 暗号の2010年問題

NISTが表明した,米国政府の標準暗号技術をより安全なものへと移行させていく方針(2010年問題)の要旨と,それにより必要となる対策を例示している。

3部 産業と社会・生活の情報化

1章 「企業IT利活用動向調査」にみるIT化の現状

JIPDECが11年5月に実施した企業IT利活用動向調査の結果のうち,東日本大震災の影響、IT予算の見直し、基盤系技術の導入状況,ITに期待する効果、業務アプリケーションの導入状況、IFRSへの対応状況について掲載した。

2章 人材育成

JIPDECの調査によると、企業がIT人材育成方法として採用しているものはOJTであったが、IPAの調査によると,IT人材の不足を感じている企業の割合は約5割であった。
ICT人材育成の具体例として、主要ICT企業であるNTTデータによる生きた人材育成手法を紹介する。
eラーニング市場規模と、eラーニング活用の先進事例として三井化学による活用事例を紹介する。

3章 電子書籍フォーマットEPUB3の理念

EPUB3の3つの理念に沿って、その技術的特性と制定経緯、HTMLやDAISYなど、EPUB以外のフォーマットの技術的特性について述べる。

4章 ゲーム

テレビゲームの歴史、日米市場規模,各ゲームの最新動向、統計データ、クラウドゲームなど新しいプラットフォームの誕生について掲載している。

5章 音楽配信/SNS

音楽配信売り上げ実績などの統計データのほか、日米の音楽配信の現状、音楽配信とソーシャルメディアの連携、東日本大震災後直後のアーティストの活動について述べる。

6章 動画配信

モバイル向け動画配信、YouTubeやUstreamといった投稿動画の動向、海外の動画配信サービス事例について取り上げている。

7章 医療分野とIT

日本医師会のシンクタンクである日医総研が中心となって進めているオープンソースプロジェクト「ORCA」による医療情報化の現状について述べる。

8章 防災とIT

輻輳緩和技術、遠隔操縦ロボット用の通信技術、被災状況調査用携帯電話など、災害時に役立つIT技術の最新動向を取り上げる。

9章 ITS(高度道路交通システム)

わが国におけるITSの開発・普及の現状と展望、東日本大震災時の交通情報提供などを、統計データと併せて述べる。

4部 IT社会を支える法制度・仕組み

1章 違法・有害情報に関する法制度

前回の情報化白書2009発刊以後の大きな動きとして、児童ポルノのブロッキングの導入、違法・有害情報に関連する3法の制度見直しに関する重要な3つの報告書の公表があげられる。
児童ポルノのブロッキングの導入に関する適法性の検討と実際の制度運用の現状について述べる。
特定電子メール法、青少年インターネット環境整備法、プロバイダ責任制限法を取り巻く技術革新による環境の変化と法執行の現状を踏まえ,今後の法制度の可能性も視野に入れた報告書が発表された。

2章 著作権を巡る最近の動向

MYUTA事件、Winny事件、まねきTV事件といった著作権に関する重要事件の法廷審理の動向と、立法化が検討段階にある日本版フェアユースについて触れる。

3章 個人情報保護に関する法制度

個人情報保護法全面施行後5年間の傾向と、個人情報保護法見直しの動向について触れている。

4章 第三者認証制度

ISMS、ITSMS、BCMSの各適合性評価制度の運用状況について述べている。11年9月現在、ISMS認証取得組織数累計は3,875、ITSMS認証取得組織数は155、BCMS認証取得組織数は27となっている。
プライバシーマーク制度の運営状況について述べている。11年3月時点の累計付与事業者数は14,564となっている。
電子署名法に基づく18の認定認証業務に係る電子証明書の累計発行枚数は10年度末現在で約76万枚、有効枚数は約31万枚となっている。
ソフトウェア資産のマネジメントシステムであるSAMの国際規格としてISO/IEC 19770-1が06年5月に発行し、12年にはISO/IEC 19770-3の発行が予定されている。

データ編 構成内容

 データ編は,世界のITインフラ普及状況,産業・暮らし・行政・教育の各分野の情報化の進展状況,コンピュータ・情報サービス・電気通信・電子商取引の市場動向の図表を掲載。これら収録データの情報源リストのほか,情報化年表(2009年~2011年6月),用語集を付した。

1. 世界のITインフラ普及状況(図表1-1~1-5)

インターネットユーザー数、ブロードバンド(CATV、DSL、FTTH、FWA、BWA)アクセスサービス契約数、携帯電話インターネット契約数、携帯電話ユーザー/契約数、主要国・地域のITインフラ(インターネット、携帯電話)普及状況、OECD各国の世帯インターネット普及率/固定ブロードバンド加入率/家庭用コンピュータ普及率

2. 産業の情報化(図表2-1~2-4)

情報関連投資(2000年連鎖方式、実質、名目)の推移、日米の情報関連投資の対GDP比率(名目)推移、情報処理関係諸経費、企業のホームページ、ビジネスブログ開設率

3. 暮らしの情報化(図表3-1~3-3)

AV機器および情報通信機器普及率、インターネット利用者数および人口普及率

4. 行政の情報化(図表4-1~4-4)

高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する予算額推移・各府省別の内示額等、国の行政機関/地方公共団体が扱うオンライン利用促進対象手続きのオンライン利用状況

5. 教育の情報化(図表5-1~5-2)

教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数、ホームページ(Webページ)等の開設状況

6. コンピュータ市場(図表6-1~6-8)

メインフレーム・サーバー・ワークステーション出荷状況、パソコン出荷状況、コンピュータおよび関連装置の生産推移

7. 情報サービス市場(図表7-1~7-2)

情報サービス産業の事業所数、年間売上高と常用従業者数

8. 電気通信市場(図表8-1~8-3)

情報通信主要データ、携帯電話・PHS・無線呼出し・BWA累計契約数、ブロードバンドサービス等の契約数の推移

9. 電子商取引市場(図表9-1~9-4)

主要電子マネー発行枚数、電子商取引市場規模推移(BtoC、狭義/広義BtoB)

10. 収録情報源リスト

11. 情報化年表(2009年~2011年6月)

用語集

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お知らせ

2011.12.19
情報化白書2012発刊記念シンポジウム in 大阪(開催:2012年2月15日)の案内を公開しました。

2011.12.01
情報化白書2012発刊記念シンポジウムを開催しました。

2011.11.17
「情報化白書2012」を発刊しました。
「情報化白書2012」紹介ページを公開しました。

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