プレスリリース

「J2ET(ジェッツ)エスクローサービス」提供



 財団法人日本情報処理開発協会(以下「JIPDEC」)は、2009年度、経済産業省委託事業である「情報セキュリティ技術を使った情報利活用基盤構築に関する共同研究と実証事業」を実施し、その中で秘密分散技術(電子的割符※1)等に関する複数の実証事業を行いました。この実証事業の成果から、JIPDECでは日本発の秘密分散技術(電子的割符)を活用した新たなサービスを企画・検討してまいりましたが、本技術のより一層の普及及び本技術を活用したサービスの創出及び活性化のためには準公的機関による基盤の提供が必要不可欠と判断し、JIPDECにおいて、本技術を活用したサービス普及のための基盤「J2ET(ジェッツ) = JIPDEC/Japan Electronic Tally※2)エスクローサービス」提供事業を2010年10月から開始することといたしました。

 秘密分散技術(電子的割符)は、個人情報・企業機密情報といったクリティカルな情報を保管・移送する際の手段として、これから広く普及が期待されるセキュリティ技術の一つです。特に、秘密分散技術(電子的割符)を用いて個人情報を保管する場合、適切に分散保管された分割片は個人情報とはみなさないという法的見解もあり、例えば、個人情報を取り扱う企業・組織にとっては、従来のセキュリティ技術を使った保存利用とは一線を画した個人情報保存システムの運営や低コストでのシステム構築ができる可能性があり、このようなクリティカルな機密情報の利活用シーンに対する運用面、コスト面での貢献を通じて、当該情報の取扱企業の負担軽減が期待できます。

 また今回のサービス提供は、JIPDECが推進する三大主要事業である「(1)電子情報利活用の推進(スマートハウス・EDI・時空間情報・電子署名等)」「(2)電子情報の安全・安心に係る制度の運営及び向上(プライバシー・マーク・ISMS等)」「(3)電子情報利活用の促進に関する普及啓発及び広報」のうちでも、特に「(1)電子情報利活用の推進」事業における、更なる情報流通基盤の整備と安全・安心な情報環境構築への新たなる第一歩であると考えております。
※1: 電子的割符(でんしてきわりふ): 勘合(かんごう)貿易で用いられた勘合符のように、重要な情報を物理的に分割して管理・照合に使う「割符」の考え方を電子的に実現したもの
※2: Tally(タリー):割符(わりふ)を英訳したもの

1. JIPDECが提供するサービス基盤「J2ET(ジェッツ)エスクローサービス」及び本事業におけるJIPDECの役割

 秘密分散技術(電子的割符)においては、生成される分割片がそれぞれお互いの一部分となるようなデータ構造となるため、それぞれ単体では原本の一部すら推測することが難しい、という特性を持ちます。しかし逆に、復元に必要な分割片を入手できれば比較的簡単に原本を復元することが可能という特性をも併せ持ちます。すなわち、秘密分散技術(電子的割符)の利活用のためには、復元に必要な分割片を容易に集められないような保管方法が重要となってきます。そこでJIPDECでは、具体的に、(1)復元に必要な情報を原則、ユーザだけが知っている状況を作り出す、(2)復元に必要な分割片を容易に集められない状況を作り出す、という2点を容易に実現できるようなサービス基盤を提供することを考えました。それぞれ、(1)ユーザサイドでの「閾値(しきいち)秘密分散※3」実施基盤、(2)秘密分散により生成される1分割片の預かり基盤となります。

 1つ目の「ユーザサイドでの閾値秘密分散実施基盤」は、3分割片のうち2分割片を集めたら復元可能となるような秘密分散(閾値秘密分散)を実現するクライアント・アプリケーション・ソフトウェアと、本ソフトウェアを認証するためのサービスを提供します。本ソフトウェアにおいては、分割片の管理情報を原則ユーザしか知らない状態を作り出せるように、ユーザサイドで分割した分割片を、ユーザの意思で好きな場所に保管できる機能を提供いたします。具体的には、JIPDECが窓口となって、お客様の重要なデータを秘密分散技術を使って預かることで、バックアップおよびディザスタ・リカバリの機能を提供するようなサービスイメージとなります。

 2つ目の「秘密分散により生成される1分割片の預かり基盤」は、秘密分散された分割片の1つをJIPDECが預かり、正式な復元要求があれば預かった分割片を引き渡す機能を持つサービスを提供します。具体的には、他のサービス業者様が秘密分散技術を用いた預かりサービス等を実施するケースにおいて、JIPDECがそのうちの1つを預かるようなサービスイメージとなります。

 JIPDECは、いずれも、秘密分散技術(電子的割符)を利活用するビジネスにおいて発生するであろう問題への解決策を事前に提供できるものと考えております。 ※3: 閾値秘密分散(しきいちひみつぶんさん): 秘密分散技術にはいくつかの方式があります。原本情報をN個に分割し、N個すべてが揃わなければ原本情報と同じ情報を復元できない技術は「完全秘密分散」とも言われます。これとは異なり、閾値秘密分散は、原本情報をN個に分割し、そのうち(N-1)個が揃えば原本情報と同じ情報を復元できるようにする技術です。(N:自然数、3以上)

2. 推進体制等について

 JIPDECでは、秘密分散技術(電子的割符)を活用したサービス普及のための基盤「J2ETエスクローサービス」の提供に向け、 以下の通り事業活動を行います。
サービス体制図
 技術協力
現在、次の2社(敬称略)の技術協力を受け事業を推進しております。

「GFI®電子割符」方式
グローバルフレンドシップ株式会社
日立ビジネスソリューション株式会社
他方式サポートも検討しておりますので、技術協力可能な業者様を募集いたします。(募集要項は別途開示いたします)

 実証サービス・サポートサービスの提供
現在、次の4社(敬称略)とタイアップし、それぞれ異なる実証サービス・サポートサービスの提供を予定しております。
実証サービス先 実証サービス内容
ダイコロ株式会社
株式会社羅針ネット
写真館向け画像データの電子的割符エスクローサービス実証事業の推進、2010年10月開始予定


タイアップ先 サポートサービス内容
寿精版印刷株式会社 電子的割符によるソフトウェアエスクローサービスの提供をサポート予定
株式会社レキサス 個人データの電子的割符のバックアップ預かりサービスの提供をサポート予定
 その他、実証サービスに参画できる業者様を募集いたします。(募集要項は別途JIPDECホームページに 開示いたします)

 ビジネス・アライアンスによる事業推進
現在、次の1社(敬称略)とアライアンスおよび、新たなサービスの提供を検討しております。
アライアンス先 サービス内容
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社 NRIセキュアが提供予定の電子的割符預かりサービスのオプションとして、 準公的l機関(JIPDEC)によるバックアップ預かりの連携サービスを、今後立ち上げ予定
その他、ビジネス・アライアンスに参画できる業者様を募集いたします。 (募集要項は別途JIPDECホームページ に開示いたします)

 J2ET(ジェッツ)サービスグループ発足による、 割符片の預かりデータセンターの募集及び普及活動推進
 秘密分散技術(電子的割符)及びサービス普及のためのサービスグループを設立します。  実際にユーザからの割符片を預かるサービス業務を受託いただけるデータセンター様やこのサービスに 関心のある企業様の中で、入会希望の業者様を募集いたします。(募集要項は別途 JIPDECホームページに開示いたします)

3. 問い合わせ先

財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)
電子情報利活用推進センター(DUPC)
 担当:合原、川野
 〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館3階
  TEL:03-3436-7500  FAX:03-3436-7570



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